先程UPした記事「不登校児に隠れた不調とは?その1」ではODと有機酸検査や腸内環境について解説しました。この記事ではODに副腎疲労が隠れているかもしれない点について書きたいと思います。
副腎疲労とODの関係:分子栄養学の視点
分子栄養学では、副腎疲労とODは、どちらも「自律神経の不調」と「エネルギー代謝の異常」を核としており、これらが特定の栄養素不足によって悪化している状態と考えます。
特に、ストレス応答ホルモン(コルチゾール)の機能不全が、ODの症状である血圧・起立時の調節異常に深く関わっている可能性が高いのです。
1. ストレス応答システム(HPA軸)と栄養素
副腎疲労は、視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸と呼ばれるストレス応答システムが慢性的なストレスで疲弊し、コルチゾール分泌が乱れることで起こります。コルチゾールがしっかりと分泌されているか確かめるには唾液検査でわかります。
分子栄養学では、このコルチゾール合成と神経の働きに必須の栄養素が不足している点に着目します。
| 必要な栄養素 | 役割とODへの影響 |
| ビタミンC | コルチゾール合成に必須。ビタミンCが不足すると、コルチゾールの合成が低下し、ストレス耐性が落ちる。 |
| ビタミンB5 (パントテン酸) | 副腎皮質ホルモン(コルチゾールなど)の合成に不可欠。OD患者の強い倦怠感の原因となりうる。 |
| マグネシウム | 副交感神経を優位にし、ストレスによる心拍数や血圧の急上昇を抑制する。 |

冬虫夏草 400mg、エゾウコギ 220mg、パントテン酸カルシウム 100mg、イワベンケイ(ロディオラ) 50mgが含まれているアドレナミンというサプリです。私もこれを飲んでいます。
甘草も副腎疲労にいいので、補中益気湯を処方される方も多いです。
2. 血圧調節とミネラルバランスの乱れ
副腎が疲弊すると、血圧維持に必要なホルモン分泌とミネラルバランスに異常をきたします。
- アルドステロンとナトリウム:
- 副腎が疲弊すると、血圧維持に関わるホルモンアルドステロンの分泌も低下することがあります。
- アルドステロンが低下すると、体内のナトリウム(塩分)が過剰に排泄され、その結果、血液の総量が減少し、脱水傾向になります。
- 血液量が減ると、ODの症状である低血圧や起立性低血圧が顕著になり、めまいや立ちくらみが悪化します。
3. ミトコンドリアのエネルギー不足
OD患者が訴える強い倦怠感や疲労感は、体内のエネルギー通貨であるATP(アデノシン三リン酸)が不足している状態と考えられます。ATPは主に細胞内のミトコンドリアで産生されます。
- ミトコンドリア機能の低下:
- ストレスホルモンが過剰な状態が続くと、ミトコンドリアが疲弊し、エネルギー産生能力が低下します。
ミトコンドリア機能を調べるには尿を取る有機酸検査でわかります。
分子栄養学に基づくアプローチ
分子栄養学では、血液検査や有機酸検査などを用いて、どの栄養素が不足し、どの代謝経路が滞っているかを特定し、その結果に基づいた治療法を行います。
- 検査による現状把握: 血液検査(特にフェリチン、亜鉛、ビタミンDなど)や、ODと副腎疲労の重症度を把握する検査を行う。
- 副腎機能のサポート: ビタミンC、B群などのサプリメントを用いて、コルチゾール合成とストレス応答をサポートする。
- ミトコンドリア機能の改善: CoQ10、L-カルニチンなどでATP産生能力を高め、倦怠感を改善する。
- 食事による腸内環境の改善: 腸の炎症を抑え(リーキーガット対策)、自律神経の安定をサポートする。
女性は月経が始まると、フェリチンが減りやすいです。またサッカーやバスケなどの激しいスポーツをする子たちは鉄を消耗しやすいです。鉄を吸収しやすくするにはビタミンC、亜鉛が必要となります。
【重要なお知らせ】 この分野の治療は、保険適用外の自由診療であり、専門的な知識が必要です。自己判断で高用量のサプリメントを摂取するのは非常に危険です。治療を検討される場合は、必ず機能性医学や分子栄養学を専門とする医師にご相談ください。


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