毛髪ミネラル検査の概要
毛髪ミネラル検査は、過去3ヶ月間に毛髪に排出された重金属の量を測定できます。髪の毛は1ヶ月で1㎝伸びるので、根元から約3cmの部分を切って検査すると、重金属の排出能力を調べることができます。

結果は「今の自分の生活習慣が、ミネラルバランスにどんな影響を与えていそうか」を推測するための目安として受け取るのがポイントです。

たとえば、外食・インスタント食品が多い人はナトリウムやリンが高めに出ることがあり、甘いものが多い人はクロムやバナジウムなどのミネラルバランスに偏りが出る可能性があります。 こうした数値を「体質チェックシート」のように眺めて、食生活を見直すきっかけにする感覚で使うと安全です。
検査の受け方と注意点
検査用の毛髪は、後頭部や側頭部など目立ちにくい場所から、根元に近い部分を3cm程度採取するのが一般的です。 短髪の場合は本数を少し多めにして量を確保します。 自宅で採取して郵送するタイプのキットも増えており、美容室やサロン、クリニックなどで申し込みができるサービスもあります。
こめかみや耳まわり、後頭部の襟足付近は、頭部の中でも血流やリンパの流れが滞りやすいといわれる部分です。
このあたりは、脳と背骨をめぐる体液の循環とも関係が深く、流れがスムーズでない状態が続くと、頭部に“不要なものがたまりやすい”と考えられています。

頭蓋骨は一枚の骨ではなく、いくつもの骨が組み合わさってできています。そのつなぎ目周辺は、体の外へ老廃物を排出する経路のひとつとして注目されることがあります。
特に襟足周辺は、髪の毛が生えやすく、日常的な代謝の影響が表れやすい部位とされています。
そのため、体調や生活習慣の影響が肌に出やすい人では、
・かゆみや赤み
・フケのような症状
・吹き出物やニキビ
といったトラブルが、こめかみ・耳まわり・襟足付近に起こりやすいと感じるケースもあります。
こうしたサインは、必ずしも特定の原因を示すものではありませんが、体全体の巡りや生活リズムを見直すきっかけとして捉えることができます。
有害な金属の見方
結果表には、各ミネラルの値とともに「高め」「やや低め」などのゾーン分けや、グラフ・チャートが記載されているケースが一般的です。

私が受けたのは、ドクターズベストという会社の毛髪検査の結果です。この表はデトックスをした後の結果です。

水銀
一般に、水銀は高濃度で曝露されると、神経系への悪影響などが懸念される物質とされており、疲労感や情緒の不安定さなどとの関連が研究されてきました。特にマグロなどの大型魚は水銀汚染度が高いです。
水銀は神経毒性を持つ物質として知られ、過去の事例や研究では高濃度・長期暴露のケースで疲労感や情緒の不安定さ、神経系の不調などが指摘されてきました。
具体的な症状例として、手足の震えや感覚の過敏、月経の乱れなどが報告文献に挙げられることがあります。
ヒ素
ヒ素の暴露量が増加すると、呼吸器や消化管への刺激、リンパ球減少症、先天性異常、貧血、不安、うつ、皮膚の色素沈着、神経障害を引き起こすことがあるようです。
タリウム
タリウムは甲状腺と関わりがあるとのことです。また、神経系、肺、心臓、肝臓、腎臓に影響を及ぼすことがあり、一時的な脱毛、嘔吐、下痢も起こるようです。
栄養素のグラフの見方
このグラフでは、カラダに必須な種々のミネラル状態を推測できます。

パーセンタイルの欄にある
棒が右に伸びていれば、毛髪中の量が多い、
棒が左に伸びていれば、毛髪中の量が少ない、と見ます。
背景の赤、黄、緑、白の範囲はレベル分けです。
レベル高 赤>黄>緑>白 レベル低

全体的にみて左側に棒が伸びている項目が多いので、毛髪中のミネラルが少ない状態であるといえます。
胃腸機能がよくなく、ミネラル吸収が悪いタイプの特徴です。腸内環境が悪い人も同じく左に寄るようです。
カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)
骨の脱灰・再吸収バランスはカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)をみます。
・Ca↑、Mg↑…脱灰(カルシウムが溶け出すこと)
・Ca↓、Mg↓…副甲状腺機能低下やビタミンD、K不足
毛髪ミネラルのCa(カルシウム)、Mg(マグネシウム)は、体内全体の量を直接反映するものではなく、真ん中あたりの数値が出ていても、必ずしも充足しているとは限りません。
結果が標準範囲内のように見えても、ホメオスタシス(体内の恒常性維持機能)により、Mgは骨などの貯蔵庫から血液中に供給されることがあり、これだけでは本当の充足度を判断しにくい点が指摘されています。
たとえば、脱灰傾向が気になる場合、副甲状腺の働き、酸性に傾きやすい食生活(肉類の多めな食事など)、Mg摂取の状況などが生活習慣として思い当たる要因として挙げられることがあります。
ナトリウム(Na)、カリウム(K)
副腎疲労(HPA軸機能障害)などのホルモンバランスはナトリウム(Na)、カリウム(K)を見ます。
・Na↑、K↑…副腎疲労の初期でコルチゾールの消耗多く分泌多い
・Na↓、K↓…副腎疲労の末期でコルチゾールがスカスカで分泌少ない
副腎から分泌されるアルドステロンというホルモンが多くなると、カリウム排泄が多くなるので、副腎疲労が確認できます。
カリウムが不足すると浮腫みやすくなります。
また、カリウムが低下すると筋肉と神経に影響を与えるので、手足の脱力感、筋肉痛、動悸などが出やすくなるという研究結果があります。

アルドステロンはコルチゾールと同じく、ストレスによる交感神経緊張で分泌が促されるので、ストレスが多い状態ということが考えられます。
亜鉛(Zn)
抗酸化力やエストロゲンの過剰具合は、銅(Cu)、亜鉛(Zn)をみます。
Zn↓…消化酵素の補充が必須です。
膵臓中の消化酵素の量と体内にある亜鉛の量には直接的な関係があり、亜鉛不足だと消化酵素分泌も低下しているという可能性があります。
糖代謝に必須のインスリンや解毒物質は亜鉛を多く含むので、不足すると糖処理や抗酸化、解毒がうまくできなくなります。
Zn↑…有害重金属の水銀が蓄積している可能性があります。
水銀(Hg)のせいで毛髪の伸びが遅くなり毛根で亜鉛が濃縮されるためです。
銅(Cu)
Cu↑…エストロゲン体内濃度が高い、炎症の可能性
Cu↓…貧血、成長障害、免疫低下、白髪
エストロゲンと、銅を運ぶタンパク質はセットなので、銅が高いとエストロゲンも高いようです。
環境ホルモン(エストロゲン類似物質)の摂取に気を付けて、過剰エストロゲンを分解してくれる肝臓の負担を減らしたいです。
また、体内に炎症があると銅は高くなります。亜鉛不足があると銅の影響が強く出てイライラしやすくなります。
マンガン(Mn)、クロム(Cr)
マンガン(Mn)、クロム(Cr)は血糖コントロールにかかわるミネラルです。
不足すると低血糖や高血糖などの血糖値乱高下になりやすいそう。高血糖や低血糖、食後に眠気がくるなど症状はMn、Cr不足かもしれません。
同じ血糖コントロールにかかわるミネラルとしてはバナジウム(V)があります。
また、マンガン不足の場合、H.ピロリ菌の存在も考えられます。
鉄(Fe)
鉄(Fe)は体内貯蔵量を表します。
結果は不足なので、鉄欠乏状態です。
鉄欠乏だとエネルギー産生ができず、疲れやすさの原因になります。
検査結果をみて
結果の見方が難しく、解析は大変ですよね。
しかし、自分のミネラルバランスや解毒できる体質なのかどうか知る機会なので、試してみてください。
注意
ここで示される食生活や生活習慣の提案は一般的な内容であり、特定の病名を断定したり、治療法を示したりするものではありません。
不安を感じる数値があっても、自己判断でサプリや健康法を極端に変えるのではなく、「こんな傾向があるのかも」と一歩引いた目線で眺める姿勢が大切です。
参考文献
毛髪ミネラル検査関連
- PIXE分析による毛髪ミネラル量とアトピー性皮膚炎発症との関連(日本放射線イオン分析学会, 2012):毛髪ミネラルの測定法と体内推定の限界を議論。
- 健常老人における脳血流量と毛髪中マグネシウムおよびカルシウム(日本神経科学会誌):毛髪Mg・Caと体内相関の研究。
- 妊婦の毛髪ならびに血清ミネラル濃度に関する研究(日本栄養・食糧学会誌):毛髪ミネラルの解釈と変動性。
- カラダリビルド

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