イン·ザ·メガチャーチ 朝井リョウ

エンタメ小説読んだ本
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日経新聞の夕にて2023年4月1日から2024年6月20日連載されていた作品です。朝井リョウの作品は現代のテーマを問いかけてくれるので本が出版されてから手に取り、本を開いてから一気に読んでしましました!推理小説でもない小説なのに。この作品を読むと推し活している人の心情がおおよそ理解できます。主人公は内向的で繊細な気質のため、積み重なる心労を癒やしたい大学生。過去にのめり込んでいたOL。

アラフィフの私にとって推し活をしたいと思ってもできず、推し活している人たちが羨ましく思いました。だって楽しそうだから。この本にも書いてあるとおり、何かにのめり込んで熱中するほうが生き方が楽ですよね。しかも人と繋がることができるし、好きな話題で話すことができる、そんな理想的な生活は魅力的です。でもその裏には推し活を仕掛けて、巨額の大金を狙う人たちがいたのです。AKBや〇〇坂などのアイドルのCDを購入すると握手会、サイン会に参加できるこのやり方ですね。推し活の相手が神のような存在なのです。本の中に「神がいないこの国で人を操るには“物語”を使うのが一番いいんですよ」。この一文が響きます。推し活の消費者側、仕掛ける側が描かれています。過去の朝井リョウの作品は映像化することが多いので、この作品も是非映像化してほしいです。

朝井リョウの文章は、SNS上の言葉遣いや登場人物の心の機微を驚くほど高い解像度で描写しており、「これはフィクションではない、私たちの日常の記録だ」と感じます。

自分の生きがいや幸福が、誰かによって仕組まれた「物語」の結果だとしたら、それは本物の幸福なのか? 誰かを笑うことで自分の優位性を保とうとする行為は、熱狂に身を投じるのと本質的にどう違うのか?

この小説は、現代を生きる誰もが持つ「孤独」「承認欲求」「幸福の定義」といった触れられたくない痛点を握りつぶしてきます。読後に残るのは、作品への感動だけでなく、「自分は今、何に熱狂し、何から目を逸らしているのか」という、自分自身への重い問いかけでもあります。

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