第34回鮎川哲也賞、満場一致の受賞作
デビュー作にして2025年本屋大賞ノミネート
↑こんなPOPが書店で目に留まったので、期待して読んでみました
救命医の主人公が働く病院に、自分とまったくの瓜二つの遺体が運ばれて来たのです。没頭から引き込まれてしまいました。ただ著者が医師なので専門用語が多いです。そのあたりはざっくり読んでいました。元々、小説家になりたかった医師である著者が書いたからか、季節を感じたり、登場人物の描写が丁寧です。丁寧にも冒頭に登場人物一覧表があったり、事件があった間取り図も掲載されています。物語の中では、主人公と友人の医師が謎解きをします。その最中に密室殺人事件が起きます。瓜二つの人間がどうしてこの世に存在するのか、真相が近づくにつれて読むスピードも速くなります。この作品は推理小説であるけれど、社会問題を突き付けられます。人間の傲慢さ、倫理的な課題を問いかけられる作品でした。そのせいもあって読後は苦しく切なくなりました。
個人的な評価 ★★★★☆
桐野夏生さんの『燕は戻ってこない』は読後は晴れやかですっきりしましたが、この作品でも余韻に浸れたらよかったです。

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